メンマ(別名:シナチク)の原料には、メンマに適した竹の種類があります。
メンマの原料(材料)は、ほどんどが外国産になっていますが、国内の放置竹林を整備して、メンマに適した種類の竹を栽培する、国産メンマの作り方があります。
メンマの材料に使う、竹の種類とはどんなものか、そもそも、なぜ放置竹林が増えたのか、国産メンマの作り方を示した「メンマ純国産化プロジェクト」について、紹介します。
メンマの材料は何?竹の種類は?
メンマは、別名シナチク(支那竹)とも呼ばれ、タケノコを乳酸発酵させて、味付けした加工食品です。
メンマの材料に使用される、まちく(麻竹)は、中国南部や台湾で収穫される、柔らかい竹です。
日本で一般的に生育する、マダケ(真竹)や、モウソウチク(孟宗竹)とは、別の種類の竹になります。
国内で消費されるメンマの材料は、99%が中国・台湾などからの輸入品です。
海外で下処理されたものが、乾燥状態で日本に輸入されて、国内で加工・味付けされています。
日本で放置竹林が増えた理由
日本の国内では、古くから竹が栽培されてきました。
竹は平地と里山を隔てる緩衝地帯に育てられることが多く、生活用品、産業、工芸品の材料として、利用されました。
竹は成長が早く、放っておくと、竹林が無造作に広がっていきます。
竹林は人が入って整備をしないと、隙間なく密集して荒れていくので、日光がさえぎられて、たけのこが生えにくくなります。
現在では、手入れの行き届かない竹林が、手つかずに放置され、全国的に問題になっています。
国産メンマ作り方 (放置竹林整備の事例)
放置されて荒れた竹林を整備して、国産メンマを作るプロジェクトが話題になっています。
◆荒れる竹林、メンマで解決=「おいしい」と評判-売り上げは伐採費用に(時事ドットコム)2019年5月7日より
記事で紹介された自営業の日高さんは、幼竹からメンマを加工する技術を持っており、福岡県糸島市で、荒れた竹林を整備する「メンマ純国産化プロジェクト」を立ち上げています。
日高さんは、竹の有効利用の一例として、国産メンマづくりを進めており、自身の活動をFacebookで発信されています。
このような方法で、竹林を整備する取り組みは、全国に広がっており、長野、栃木、広島などでも実施されています。
国産メンマのラーメンで地域活性化
このような竹林整備の取り組みは、ラーメンチェーンを経営するような、外食企業の CSR活動(Corporate Social Responsibility)としても、活用できそうです。
プロジェクトに参加することによって、地域のラーメン屋さんが、竹林整備の活動を通じて、地域活性化に貢献できる機会が広がります。
また同時に、国産のメンマは、独特のニオイが少なく、おいしいと評判なので、できたメンマを活用すれば、自社商品の品質向上も期待できます。
メンマの販売で利益が出れば、竹林の整備費用にも充てられ、人を雇えば地域の雇用対策にもつながります。
メンマの原料に適した竹で竹林整備
地方で山に近いエリアでは、放置されて荒れている竹林をよく見かけます。
管理者が中心となって、メンマ作りを利用した、竹林整備を取り入れてみると、地域の活性化につながると思います。
地域の特徴を生かしたメンマが、全国で作られるようになって、おいしいご当地ラーメンが、食べられるようになればいいなと思います。