心身の健康を支える重要な要素のひとつが腸内環境です。
健やかな毎日を送るためには、腸内のバランスを整えることが大切です。
そのサポート役となるのがオリゴ糖ですが、一口にオリゴ糖といっても種類はさまざま。
特性を理解し、複数のオリゴ糖を上手に取り入れることで、より効率的に腸内環境を整えることができます。

今回は、安全性が高く、腸内環境を整える働きを持つ大豆オリゴ糖について解説するぞ!
大豆オリゴ糖の特徴とは


大豆オリゴ糖とは、その名の通り大豆に含まれているオリゴ糖です。
大豆以外にも、豆科の植物に多く含有されています。
大豆オリゴ糖を構成しているのは、スタキオースやラフィノースなどのガラクトオリゴ糖となっています。
甘味はオリゴ糖の中でも強く、砂糖の7割ほどの甘さを呈し、風味も砂糖に近いため、利用しやすいオリゴ糖と言えるでしょう。
一方で、大豆オリゴ糖は人体に存在する酵素では消化されないため、そのまま大腸に届き、カロリーも砂糖の半分程度となっています。
大豆オリゴ糖の原料
大豆オリゴ糖の原料は、大豆です。
大豆からタンパク質や脂質を取り除いた後のホエー(上澄み)部分を用いて、大豆オリゴ糖は作られます。
大豆オリゴ糖の作り方
大豆ホエーは、ろ過によりタンパク質を取り除いた後、脱塩・脱色や濃縮などの工程を経て大豆オリゴ糖シロップとなります。
大豆オリゴ糖シロップをさらにクロマトグラフィーにかける事でショ糖や単糖類を取り除き、濃縮・精製処理を行って質の高い精製大豆オリゴ糖が完成します。
つまり、大豆オリゴ糖は、製造方法からみても安全性の高いオリゴ糖と言えるのです。
大豆オリゴ糖の特徴


大豆オリゴ糖はビフィズス菌に選択的に利用され、悪玉菌にはほとんど利用されない性質を持っています。
そのため、効率よくビフィズス菌を増殖させる事ができ、腸内を善玉菌が優勢の状態にサポートします。
腸内が善玉菌優勢になる事で、お通じのリズムが整い、腸内の不要な物質が減ることで環境が整いやすくなります。
大豆オリゴ糖は、腸内環境をサポートする成分として、消費者庁から特定保健用食品に認定されています。
大豆オリゴ糖の1日あたりの摂取目安量は、3~5g程度となっています。
大豆オリゴ糖の安全性
大豆オリゴ糖は、大豆に含まれているオリゴ糖であるため、食の歴史からみても安全性が高いと言えます。
実際に、急性毒性試験や遺伝子への影響を調べた試験においても安全である事が証明されています。
ただし、難消化性ですので、一気に大量に摂取するとお腹が緩くなってしまう可能性があります。
熱や酸に対しても比較的安定であるため、お菓子や飲料などに多く用いられています。
大豆オリゴ糖が摂れる商品や食品
大豆オリゴ糖は、大豆に含まれるオリゴ糖であるため、他のオリゴ糖のように大豆オリゴ糖としての商品はほとんどありません。
そのため、大豆オリゴ糖を摂るためには、食品からの摂取をおすすめします。
大豆オリゴ糖を効率よく摂れる食品と100g中のオリゴ糖量は以下の通りです。
- きな粉:7.0g
- 蒸し大豆:1.4g
- 調整豆乳:0.6g
- 豆乳:0.5g
ご覧の通り、きな粉には大豆食品に限らず食品中でヤーコンに次いで断トツにオリゴ糖が豊富に含まれています。
つまり、オリゴ糖を摂るためには、きな粉を食事に取り入れるといいのです。
きな粉には、健康的な生活に役立つカリウムも豊富に含まれているので、オリゴ糖とカリウムも摂れて、一石二鳥なんですよ。
ですが、きな粉100gというのは、通常スーパーなどで販売されている、きな粉1袋分の量に相当します。
1袋のきな粉をそのまま消費するとなると、たいへんですよね。
そこで、きな粉をスイーツや飲み物、料理などに利用すれば、一度に多くのきな粉が食べやすくなります。
大豆オリゴ糖を効率よく摂れるレシピ



そこで、きな粉を効率よく摂れるレシピを3つご紹介します。
きな粉のソイラテ
まずは、料理をしたことがない人でも簡単に作れる、きな粉のソイラテのレシピをご紹介します。
今回全てのレシピで使用するきな粉は、株式会社真誠の「とろけるきな粉」です。


通常のきな粉ですと、液体に溶けにくいため、料理やスイーツに使いにくく、口当たりも悪いという欠点があります。
一方で、とろけるきな粉はサラサラしていて、液体に溶けやすいので、料理やスイーツに使いやすいんですよ。
そのため、主婦の中ではとても人気のある商品なのです。
それでは、きな粉のソイラテの作り方です。
✅用意する器具
- 耐熱コップ
- かき混ぜるスプーン
- 電子レンジ
✅用意する食材(コップ1杯分)
- きな粉:大さじ1~2杯
- インスタントコーヒー:小さじ1杯
- 豆乳:コップ1杯分(200ml程度)
- はちみつ:大さじ1杯(なくてもいい)


✅作り方
❶ コップにはちみつを入れます。
❷ 次にインスタントコーヒーを入れます。
❸ きな粉を入れます。


❹ 豆乳を注ぎ入れます。
❺ 電子レンジで600W2分加熱し、よくかき混ぜたら出来上がりです。


はちみつを入れると、豆乳が苦手な方でも飲みやすくなりますよ。
ほんのり甘いラテなので、ホッと一息つきたいときなどにおすすめです。
きな粉棒
次は、駄菓子でもよく見かけるきな粉棒の作り方です。
材料はきな粉とはちみつだけなので、とても簡単な上、かき混ぜたり形を整えたりするときに、小さなお子様とも一緒に楽しくお菓子作りができますよ。
また、はちみつにも100g中1.5gのオリゴ糖が含まれているので、お通じ対策にもおすすめのレシピです。
✅用意する器具
- はかり
- 耐熱ボール
- 耐熱のゴムべらまたは木べら
- 切り分けるナイフ
- 電子レンジ
- 耐熱のバット


✅用意する食材
- きな粉:20g
- はちみつ:25g
- 仕上げ用のきな粉:大さじ2~3杯
✅作り方
❶ はちみつを測り、耐熱ボールに移してラップをし、レンジで600W30秒加熱します。


❷ レンジでチンしたはちみつの上に、きな粉を入れ、よく混ぜます。


❸ バットに大さじ2杯程度のきな粉を広げます。


❹ きな粉を広げたバットに先ほど混ぜたはちみつときな粉のペーストを出します。


❺ ペーストの上にさらに大さじ1杯のきな粉をかけ、手で均等に10cm×10cm程度の正方形になるように伸ばします。


❻ ナイフなどで縦に1cm間隔で切り分け、さらに横に半分になるように切り込みを入れます。
❼ 30分程度冷蔵庫で冷やして固めます。


❽ 棒形や丸形などお好みの形に整えて完成です。成形するときはきな粉をまぶしながら行うと、やりやすいですよ。
丸形に成形して、キッチンペーパーでキャンディー包みにすると、お子様も喜びますよ。
きな粉の豆乳プリン
しっかりしたスイーツを食べたいという方におすすめなのが、きな粉の豆乳プリンです。
豆乳にも大豆オリゴ糖が含まれているので、ダブルでオリゴ糖を摂ることができます。
今回は濃厚なプリンにしたかったので、特濃の調整豆乳を使用しています。
豆乳には様々な味が出ていますので、好みに合わせて使い分けてみてくださいね。
ヘルシー指向の方には、無調整豆乳がおすすめです。
✅用意する器具
- 鍋
- はかり
- プリン型
- 茶こし
- 耐熱のゴムべらまたは木べら


✅用意する食材(3人分)
- きな粉:25g
- 豆乳:300ml
- 粉ゼラチン:1袋(5g)
- 砂糖:大さじ2杯


❶ ゼラチンを大さじ2杯程度の水に溶かします。


❷ ゼラチン以外の食材を全て鍋に入れ、弱火にかけます。
❸ 沸騰しないように注意して、へらでかき混ぜながら砂糖を溶かします。
❹ 砂糖が溶けたら、火からあげ少し冷まします。


❺ 水でふやかしたゼラチンを入れ、ゼラチンが溶けるまでしっかりと均一になるようにへらで混ぜます。


❻ 茶こしでこしながら、プリン型に注ぎ入れます。


❼ 冷蔵庫で2時間程度冷やせば出来上がりです。


きな粉の食感を味わいたい方は、茶こしでこす必要はありません。
火を使うのが苦手な方は、お湯を用意して、湯煎で砂糖を溶かしても大丈夫ですよ。
大豆オリゴ糖を食生活に取り入れる
大豆オリゴ糖は日本でも馴染みの深い大豆から得られるオリゴ糖ですので、安心して摂取する事ができます。
また、比較的少量で腸内環境をサポートできるため、日常生活に取り入れやすいです。
生活習慣の改善の一環として、砂糖の代わりに使うことで、より健康的な食習慣に役立ちます。