その人本来の善玉菌を活性化させ、腸内を酸性に保つことで、オリゴ糖は腸内環境をサポートします。

ヨーロッパ各国では、ヨーグルトなどのプロバイオティクスよりも、オリゴ糖などの善玉菌をサポートする食品のほうが注目されているんですよ。
オリゴ糖を取り入れる際に重要なのは、種類や特性を理解し、適切に活用することです。
今回は、自然界にも多く存在するフラクトオリゴ糖についてご紹介します。
フラクトオリゴ糖の特徴・原料


フラクトオリゴ糖は、砂糖に果糖であるフルクトースが1~3個結合したオリゴ糖が主成分となっており、自然界にも玉ねぎやアスパラガス、蜂蜜、バナナなど幅広く含有されています。
砂糖にフルクトースが1つ結合したオリゴ糖はケトースとして、善玉菌をサポートする働きがあるとされています。
その他、砂糖にフルクトースが2つ結合した物がニストース、3つ結合した物がフラクトシルニストースとなっており、これらのオリゴ糖は広範囲の善玉菌をサポートします。
フラクトオリゴ糖の味は砂糖に近く、クセのないまろやかな甘味を呈します。
難消化性であり、カロリーは1gあたり2kcalと砂糖の半分となっています。
フラクトオリゴ糖の原料
フラクトオリゴ糖の原料は砂糖です。
フラクトオリゴ糖に用いられる砂糖は、「さとうきび」と「甜菜」などから抽出されたものが使用されています。
フラクトオリゴ糖の作り方


フラクトオリゴ糖は、原料の砂糖に酵素を反応させて果糖を転移させる事で作られます。
その後精製・濃縮の過程を経て純度55%以上のフラクトオリゴ糖が製造され、そこからさらに分離・精製されて濃縮された物が純度95%以上の製品となります。
フラクトオリゴ糖の特徴


フラクトオリゴ糖は、ビフィズス菌や乳酸菌をサポートして、これらの善玉菌が増えることで腸内環境を整え、腸の健康に役立ちます。
また、腸内環境を整える特徴について、消費者庁から特定保健用食品として表示が認められています。
フラクトオリゴ糖は消化されにくく、小腸で吸収されないため、血糖値への影響が少ないとされています。これにより、健康的な生活をサポートするために利用されることがあります。
純度の高いフラクトオリゴ糖は、砂糖の代替品としても使われることがあり、糖分の摂取を控えたい方にも適しています。
さらに、フラクトオリゴ糖には、悪玉コレステロールの低下をサポートし、ミネラルの吸収を助ける役割があるとされています。
フラクトオリゴ糖の1日あたりの摂取目安量は、3~8gとなっています。
フラクトオリゴ糖の安全性


フラクトオリゴ糖は自然界にも広く存在し、毒性試験や遺伝子への影響を調べた試験によって安全性が証明されているため、安心して摂取できる食品です。
ただし、多量に摂取した場合は、お腹が緩くなってしまうことがあるため、過剰摂取には注意しましょう。
フラクトオリゴ糖は、様々な野菜や果物にも含まれているオリゴ糖ですので、安心して摂取する事ができます。
風味は砂糖に近いにも関わらずカロリーは砂糖の半分であるため、健康的な生活を心がける方や、血糖値に配慮している方におすすめのオリゴ糖です。
フラクトオリゴ糖とイヌリンとの違い



フラクトオリゴ糖と同じような働きをする成分がイヌリンです。
イヌリンは人の消化酵素では分解できず、そのまま腸内に届いて善玉菌のエサになり、フラクトオリゴ糖まで分解されます。
それでは、具体的にフラクトオリゴ糖とイヌリンはどのような違いを持つのでしょうか?
✅イヌリンは2つの側面を持った成分


フラクトオリゴ糖が砂糖に果糖が1~3個結合した少糖であるのに対し、イヌリンは砂糖に果糖が10個結合した多糖に分類されます。
この構造の長さによって、イヌリンは水溶性食物繊維として機能しつつ、フラクトオリゴ糖としての特徴も発揮するのです。
✅イヌリンは糖分や脂肪分の吸収をブロックする


イヌリンにあってフラクトオリゴ糖にない特徴が、水溶性食物繊維としての機能です。
イヌリンは水溶性食物繊維としても働くため、体内に入ると水分を吸収してネバネバのゲル状になります。
ゲル状になったイヌリンは腸壁から余分な糖分や塩分、脂肪分の吸収をブロックします。
また、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあるため、イヌリンを摂取する事で日々の健康維持に役立つことが期待されています。
✅血糖値に配慮するならフラクトオリゴ糖よりもイヌリン
体内でゲル状になったイヌリンはゆっくりと消化器官を通過するため、血糖値の変化を穏やかにします。
血糖値の大きな変動はインスリンの分泌に大きな負担となり、健康維持を妨げます。
水溶性食物繊維として血糖値の変動を穏やかにするイヌリンは、血糖値の管理に役立つ可能性があると言われています。
✅フラクトオリゴ糖の方が早く善玉菌のエサになる


イヌリンは長い構造を持つため、消化器官の通過時間も長く、善玉菌による分解にも時間がかかります。
一方で、フラクトオリゴ糖は短い構造をしているため、より短い時間で腸に届いて善玉菌のエサになります。
そのため、フラクトオリゴ糖で素早く善玉菌にアプローチして、イヌリンで加勢するという形をとると、より効率よく腸内環境をサポートする事ができます。



イヌリンとフラクトオリゴ糖の違いは、水溶性食物繊維としての側面を持つかどうかじゃよ
イヌリンは水溶性食物繊維としても働く事で、より日々の健康維持に役立ちます。
一方で、善玉菌にはフラクトオリゴ糖の方が早くアプローチするため、フラクトオリゴ糖とイヌリンを合わせて利用すると、相乗的なサポートが期待できます。
フラクトオリゴ糖を使ったレシピ


フラクトオリゴ糖を含む食品には菊芋、ヤーコン、タマネギ、ネギ、ニンニク、ゴボウ、ライ麦、バナナなどがあります。



今回はその中から、菊芋とタマネギ、ゴボウを使い「五目きんぴら」を作ってみました。
ちなみに、菊芋とは・・・
芋の仲間ではなく、ゴボウと同じ菊科の野菜です。


「イヌリン」という水溶性食物繊維を多く含んでおり、腸に運ばれると、フラクトオリゴ糖になるので、スムーズなお通じに役立ちます。


洗って土を落とすと、生姜に似ていますね。


皮をむくとレンコンのような手触り。
用意する食材
✅具材
- 菊芋:3~4個
- タマネギ:半分
- 人参:小1個
- ゴボウ:1本
- ニラ:半束
✅調味料
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- ゴマ油:適量
- いりゴマ:大さじ1と半分
❶ 材料を切る


菊芋は輪切り、ゴボウ、人参は千切りに。
タマネギは薄切り、ニラはざく切りにする。
❷ 炒める


菊芋、ゴボウ、人参、タマネギを入れ炒める。
❸ 調味料をまぜる


醤油、みりん、酒、砂糖を混ぜておく。
❹ 調味料を入れ炒める


混ぜた調味料をかけて、炒める。
❺ 煮詰めてからニラを入れる


煮汁がなくなるまで煮詰めてから、ニラを入れサッと炒める。
❻ いりごまを混ぜる


❼ 完成
いりごまを振ってサッと混ぜる。


菊芋は生で食べると、シャキシャキとしたレンコンのような歯ごたえでしたが、火を通すとホクホクでお芋のような柔らかい食感になります。
食べやすい味付けでご飯のおかずにはもちろん、冷めても美味しいのでお弁当にもオススメです。